🔰突然の相続も、ご安心ください
相続が発生すると、何から手をつけてよいのか分からず不安に感じる方も多いと思います。
本ガイドでは、西東京市で相続が発生した際に必要となる手続きの流れや、相談すべき専門家(司法書士・弁護士・税理士)の役割を分かりやすく解説します。
初めての方でも安心して進められるよう、地域の相談窓口の情報もまとめています。
私が解説します(著者)

清水 克彦(イナリ税理士事務所)
西東京市のひばりヶ丘駅北口徒歩2分の所に事務所があり、相続・不動産税務、中小企業の税務会計や資金繰り支援を主な業務として活動を行っております。
保有資格:税理士、CFP、宅地建物取引士
所属団体:東京税理士会東村山支部、日本FP協会、東村山青色申告会
相続が発生したら最初に確認すること
まずはご自身で確認・届け出を
- ご逝去から7日以内に「死亡届」を提出(市役所:西東京市役所 保谷庁舎)
- 葬儀・埋葬の手配
- 遺言書の有無を確認(家庭裁判所での検認が必要な場合あり)

相続の流れは「期限との戦い」です。早めの確認が重要です。
“期限あり”の相続手続きを確認
【対象者のみ】
・相続放棄:相続人が一切の財産(プラスの財産もマイナスの財産も含む)を受け継がない手続きのことです。
・限定承認:相続財産の範囲内でのみ債務を引き継ぐ手続きです。
弁護士が対応
【対象者のみ】
亡くなった方(被相続人)が生前に得ていた所得を相続人が代わりに申告する手続きです。
「亡くなった方の最後の確定申告」をご遺族が行うイメージです。
税理士が対応
【相続人全員】
相続によって取得した財産の価値を計算し、基礎控除を超えた場合に税額を申告する手続きです。
税理士が対応



各期限を過ぎると、放棄ができなくなったり、加算税・延滞税が発生することがあります。
相続発生から完了までの流れ
事前確認・準備
相続は被相続人(亡くなった方)が亡くなった時点で開始され、この時点から遺産分割協議や相続税申告の手続きの準備を徐々に進めていくことになります。
チェックリスト
死亡に関する届出・証明
- 医師に死亡診断書を発行してもらう
- 7日以内に死亡届を提出(市役所:西東京市役所 保谷庁舎)
- 火葬許可証を受け取る
公的手続きの準備
- 被相続人の戸籍謄本・住民票の除票を取得
- 相続人確認のため、被相続人の出生から死亡までの戸籍を取り寄せ始める
- 世帯主変更届や健康保険・年金の手続き確認
遺言書の有無の確認
- 自宅や金庫に保管されていないか確認
- 公正証書遺言がある場合 → 公証役場で確認
- 自筆証書遺言がある場合 → 家庭裁判所で検認手続き
葬儀・埋葬に関すること
- 葬儀社への依頼
- 喪主の決定
- お通夜・告別式の日程調整
- 費用の支払い記録(相続税の控除対象になるため)
財産と負債の一次確認
- 預貯金口座の有無を確認し、一時的に引き出し制限がかかる可能性を認識
- 不動産の有無を確認(登記簿謄本の取得準備)
- 借金やローン、保証債務の有無を把握
- 貴金属・車・保険証券・株式などの存在をチェック
今後の手続きスケジュール把握
- 相続放棄・限定承認の期限 → 相続開始を知ってから3か月以内
- 準確定申告の期限 → 相続開始を知ってから4か月以内
- 相続税申告・納付の期限 → 相続開始を知ってから10か月以内
被相続人が遺言書を作成していた場合、遺言書が相続手続きの基本となります。遺言書の確認は慎重に行う必要があり、次の点に注意します。
専門家の役割
- 形式的確認・検認 → 司法書士
- 税務面の影響確認 → 税理士
- 争いやトラブル対応 → 弁護士
ポイント
- 公正証書遺言がある場合は、公証役場に保管されており、その内容に従います。
- 自筆証書遺言がある場合は、家庭裁判所で検認手続きが必要です。この検認は、遺言書が無効か有効かを判断するものではなく、あくまで遺言書が改ざんされていないかを確認するものです。
- 遺言書に基づいて財産の分割が進められますが、法定相続人の遺留分を侵害する場合には、遺留分侵害額請求ができる場合があります。
被相続人の法定相続人が誰であるかを確認するために、被相続人の出生から相続発生までの戸籍を詳しく調べる必要があります。
専門家の役割
- 実務担当(戸籍調査・関係図作成) → 司法書士
- 争いがある場合 → 弁護士
- 税務計算に反映 → 税理士
ポイント
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍を取り寄せ、法定相続人が誰かを確定する。
- 配偶者、子供(嫡出子・非嫡出子)、養子、直系尊属(親)、兄弟姉妹などが相続人となる可能性があります。
- 相続人の中には、相続人に該当しないという主張(相続欠格・相続廃除)をする場合もあり、その際は遺産分割協議を円滑に進めるために法律の専門家である弁護士に早めに相談することが推奨されます。
遺産の種類や金額を確認し、負債がないかどうかも同時に調査します。
専門家の役割
- 不動産登記や名義関係 → 司法書士
- 財産・負債の評価と税務シミュレーション → 税理士
- 財産範囲の争いや調停・訴訟 → 弁護士
ポイント
- 不動産
不動産登記簿を確認し、土地や建物の所有者や評価額を把握。 - 預貯金
銀行口座や証券口座の残高証明書を取得。 - 株式や有価証券
証券会社や保有している株式の内容を確認。 - 負債
借金、ローン、保証債務などの負債がある場合、その内容を確認。 - 動産
車や貴金属、美術品などの動産も遺産に含まれる。
この時点で、すべての財産と負債を把握し、相続人間で話し合いを進めるための資料を揃えます。
相続人は、被相続人の負債が多い場合やその他の事情で、相続を放棄することができます。これには以下の選択肢があります。
専門家の役割
- 実務の入口は司法書士 → 税理士・弁護士と連携 という流れが一般的
- 書類作成・形式面は司法書士、争いや交渉は弁護士、税金シミュレーションは税理士
ポイント
- 相続放棄
期限:相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所で相続放棄の手続きが必要。
手続き:家庭裁判所に相続放棄申述書を提出し、審理を経て認められる。これにより、相続放棄をした相続人は最初から相続人ではなかったとみなされる。 - 限定承認
被相続人の財産を相続しつつ、財産の金額を超えない範囲でのみ負債の返済義務を負う方法。
期限:こちらも相続放棄と同様に3ヶ月以内に家庭裁判所での手続きが必要。
被相続人(亡くなった方)が生前に得ていた所得について、相続開始日の翌日から 4か月以内 に相続人が代わって行う確定申告のことを「準確定申告」といいます。
通常の確定申告は本人が行いますが、死亡した場合はそのままでは申告できないため、相続人が代表して申告・納付する必要があります。
専門家の役割
- 税理士:所得の計算、申告書作成、税額計算、提出・納付のサポート
ポイント
- 対象者
被相続人が確定申告をする義務がある人だった場合(給与所得や事業所得、不動産所得などが一定額以上ある人)。 - 提出期限
相続開始を知った日の翌日から4か月以内。(例:5月10日死亡 → 翌日5月11日から起算して9月10日が期限) - 提出先
被相続人の最後の住所地を管轄する税務署。 - 申告書に署名する人
相続人全員。代表者が提出しますが、全員の署名・押印が必要です。 - 納付義務
準確定申告で税金が発生した場合は、相続人が法定相続分に応じて連帯して納付する義務があります。 - 控除や医療費の扱い
・医療費控除:死亡日までに支払った医療費は控除対象
・配偶者控除や扶養控除:死亡時点での状況に応じて適用可
・青色申告・事業所得:死亡日までの収入・経費を区切って計算
相続人全員が集まり、遺産をどのように分けるか話し合います。法的には、以下のポイントに従って協議を進めます。
専門家の役割
- 形式的な協議書作成・登記 → 司法書士
- 争い対応・調停 → 弁護士
- 税負担を考慮した分割案のアドバイス → 税理士
ポイント
- 法定相続分に従って分割する場合や、相続人全員の合意に基づいて法定相続分以外の割合に分割することも可能。
- 不動産の取得者や、現金の配分、株式などの資産について、具体的な取り決めを行う。
- 遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名・押印して正式な合意を得る。
協議がまとまらない場合、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができる。
相続税の課税対象となる場合、次のような手順を踏みます。
専門家の役割
- 税理士 → 財産評価、相続税の申告書作成、税額計算、各種特例の適用判断、税務署への申告書提出・納税サポート
ポイント
- 申告期限
相続開始から10ヶ月以内に相続税の申告と納付を行う。 - 税務署での手続き
相続税の申告書を被相続人の最後の住所地を管轄する所轄税務署に提出する。
相続税の納税額は、遺産の総額と法定相続分、基礎控除額に基づいて計算される。 - 基礎控除
3,000万円+600万円×法定相続人の人数が基礎控除額となり、この額を超える財産が課税対象となる。
遺産分割協議や相続税の申告手続きが完了した後、遺産に含まれる不動産や預貯金口座の名義を変更します。手続きの手順は次の通りです。
専門家の役割
- 不動産登記・銀行口座の名義変更 → 司法書士がメイン担当
- 税務面の確認 → 税理士
- 争いがある場合の代理 → 弁護士
ポイント
- 不動産の名義変更
法務局で登記申請を行い、被相続人から相続人への所有権移転登記を行う。
必要書類には、遺産分割協議書、相続人の戸籍謄本、固定資産税評価証明書などがある。 - 銀行口座の解約や名義変更
金融機関に対して、相続人全員の合意書や遺産分割協議書を提出し、口座の解約や名義変更を行う。
全ての財産及び債務の遺産分割と名義変更等の手続きが終わると、各相続人が正式に相続財産を承継したことになります。なお、相続手続き後も引き続き保管が必要な書類も多いので、重要書類はしっかりと保管しましょう。
専門家ごとの役割を詳しく解説
相続の手続きは、不動産登記・税金・相続人間のトラブルなど、多岐にわたり専門性が異なります。
状況によって頼るべき専門家は異なりますが、まずは全体を把握して、必要に応じて適切な専門家へ相談することが安心・確実な相続手続きにつながります。
相続に関わる専門家ごとの役割一覧表
手続き・相談内容 | 司法書士 | 弁護士 | 税理士 |
---|---|---|---|
不動産の名義変更(相続登記) | 〇 | × | × |
相続放棄・限定承認(家庭裁判所への代理申立) | × | 〇 | × |
相続放棄・限定承認の申述書作成サポート | 〇 | 〇 | × |
遺産分割協議の代理・相続人同士の争い解決 | × | 〇 | × |
調停・裁判での対応 | × | 〇 | × |
遺産分割協議書の作成サポート | 〇 | 〇 | × |
準確定申告(故人の所得税申告) | × | × | 〇 |
相続税の申告・納付 | × | × | 〇 |
相続税対策・財産評価 | × | × | 〇 |
司法書士
司法書士は 「相続登記」「相続放棄の書類作成」「協議書作成」 など、書類や登記に関する実務の専門家。
「争いがなく、正しく手続きを進めたい方」に最も向いています。
・不動産の名義変更(相続登記)
・家庭裁判所に提出する「相続放棄・限定承認の申述書」などの書類作成
・遺産分割協議書の作成サポート
・家庭裁判所への申立ての代理(相続放棄や限定承認を本人に代わって申請すること)
👉 家庭裁判所への申立代理ができるのは弁護士のみです。
・相続放棄・限定承認の申立てを代理すること
・相続人同士の争いの代理や交渉
・税務申告(準確定申告や相続税申告)
- 相続した不動産の名義を変更したい方
→ 相続登記(義務化:2024年4月施行)を確実に済ませたい - 相続放棄や限定承認を検討している方
→ 家庭裁判所に提出する申述書の作成をサポートしてもらいたい
※代理申請は弁護士のみ可能ですが、書類作成だけを依頼したいなら司法書士が適任 - 遺産分割協議書を正しく作成したい方
→ 書類の不備で後々トラブルになるのを避けたい - 不動産や預貯金の相続手続きをスムーズに進めたい方
→ 登記や名義変更の専門家に任せることで時間と手間を削減できる - 費用を抑えて手続きを進めたい方
→ 相続に関する「書類作成」までの範囲であれば、弁護士より依頼費用が比較的安価
- 税務申告や節税対策が必要(相続税・準確定申告 → 税理士案件)
- 相続人同士が揉めている(遺産分割の争い → 弁護士案件)
弁護士
弁護士は 「争いごとや裁判になりそうなケース」「家庭裁判所への申立て代理」 に強い専門家。
「相続トラブルに直面している方」「法的に確実に解決したい方」に最も向いています。
・家庭裁判所への申立て代理(相続放棄・限定承認など)
・遺産分割協議の代理や相続人同士の交渉
・遺留分減殺請求など相続トラブルの対応
・裁判手続きの代理全般
・不動産登記の手続き(司法書士の業務)
・相続税の申告や税務代理(税理士の業務)
- 相続人同士で揉めている方
→ 遺産分割協議がまとまらない、相続財産の分け方でもめている - 遺留分の問題がある方
→ 遺言で一部の相続人の取り分が少なく、遺留分侵害額請求をしたい/された - 相続放棄や限定承認を代理で申立てたい方
→ 家庭裁判所への申立て手続きを代理できるのは弁護士のみ - 調停や裁判に発展している方
→ 家庭裁判所での調停や訴訟を代理してもらえる - 相続トラブルを避けたい方
→ 将来の争いを防ぐために、法的観点から遺言書作成や遺産分割の合意書をチェックしてもらいたい
- 不動産の名義変更や登記 → 司法書士の業務
- 相続税申告や税務対策 → 税理士の業務
- 争いがなく書類作成だけで済む場合 → 司法書士や税理士の方が効率的かつ費用も抑えられる
税理士
税理士は 「税金・財産評価・申告の専門家」。
相続税の申告が必要な方や、財産が複雑で正しい評価や節税をしたい方に最も向いています。
・準確定申告(故人の所得税)の申告代理
・相続税の申告・納付の代理
・財産評価(不動産・株式など)と節税対策
・相続税調査の対応
・家庭裁判所への申立てや相続トラブルの代理
・不動産登記の手続き
- 相続税の申告が必要な方
→ 遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えそうな場合
→ 相続税の申告・納付は税理士しか代理できません - 不動産や株式など評価が複雑な財産がある方
→ 不動産の評価額や非上場株式の算定は専門的で、経験豊富な税理士に依頼するのが安心 - 相続税の節税対策をしたい方
→ 配偶者控除、小規模宅地の特例、二次相続を見据えた分割など、節税策の提案が可能 - 準確定申告(故人の所得税)が必要な方
→ 亡くなった方の最後の確定申告を代理できるのも税理士だけ - 相続税調査に備えたい方
→ 税務署からの問い合わせや調査対応を任せられる
- 相続人同士が揉めている(→弁護士の領域)
- 不動産の登記や名義変更が必要(→司法書士の領域)
- 相続放棄・限定承認を家庭裁判所に代理申請(→弁護士のみ可能)
よくあるご質問(FAQ)
- 相続税の申告をする必要があるのはどんな人ですか?
-
被相続人の財産の合計額が基礎控除額を超える場合には、相続税の申告をする必要があります。
したがって、財産の合計額が基礎控除額以下である場合には、相続税の申告は必要ありません。
なお基礎控除額とは、3,000万円+(600万円×法定相続人の数)の算式で計算します。 - 相続税の申告書に提出期限はありますか?
-
相続税の申告書の提出期限は、相続開始の日から10ヶ月以内です。
- 昨年夫から自宅の贈与を受けましたが、本年夫に相続が発生しました。
自宅の贈与については、贈与税の配偶者控除を受けたため課税されませんでしたが、相続税では相続開始前7年以内の贈与は相続財産に加算され、相続税が課税されることになるのでしょうか? -
相続開始前7年以内の被相続人からの贈与財産の価額のうち、その贈与税の配偶者控除を受けた金額に相当する部分は、相続税の計算上、相続開始前7年以内の贈与財産の加算の対象にはなりません。(相法19)
- 離婚により、妻が夫から財産分与を受けた場合は、その財産について贈与税が課税されるでしょうか?
-
離婚により財産分与を受けた場合は、それが協議上の離婚であっても裁判上の離婚であっても、原則として贈与税は課税されませんが、その財産の価額が、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮してもなお不当に多すぎると認められる場合のその不当に多すぎる部分や、離婚を手段として贈与税や相続税を免れようとするためのものである場合の分与財産については、その財産は贈与により取得したものとして贈与税が課税されます。
- 相続した財産を売却するときに、また税金がかかるのですか?
-
相続時に相続税を納めて取得した財産であっても売却するときには原則として譲渡所得税が課税されます。ただし、この譲渡所得税を減額することができる特例があります。
この特例のことを『相続税の取得費加算の特例』といいます。相続により取得した財産を、相続税の申告期限の翌日以後3年以内に譲渡した場合には、支払った相続税額のうち、一定の金額をその譲渡所得の計算上、経費とすることができるというものです。この特例の適用を受けるためには確定申告をすることが必要です。 - 相続税の申告はどのタイミングで相談するのがベストですか?
-
相続税の申告期限は、相続開始日より10ヶ月目となります。
相続発生後は、被相続人の財産・債務の把握、相続人の確認等さまざまな作業を行う必要があります。
その財産・債務を把握したうえで相続放棄を選択する場合は、相続開始日から3ヶ月以内に申し出なくてはなりません。また、被相続人の準確定申告(その年の1月1日~相続発生日までの確定申告)は、相続開始日から4ヶ月以内に行わなくてはなりません。
よって、相続税の申告の相談は、早ければ早いほどよいといえるでしょう。できれば相続開始日から2ヶ月以内にされることをお勧め致します。 - 相続税の節税はできるのでしょうか?
-
相続税の節税につながる基本的な手法は以下のとおりです。
生前贈与
生前贈与を行うことにより、将来の相続財産の減少を図ります。
この場合は、生前贈与する財産の種類・金額、贈与税の特例などの選択について十分検討しなければなりません。評価引き下げ
評価額の高い財産(現金・預金など)を、評価額の比較的低い財産(アパートやその敷地など)にシフトさせることにより、将来の相続税の節税を図ります。
なお、節税対策とともに、生命保険などを活用して将来の相続税の納税資金を準備しておくことも重要です。 - どのような財産にかかるのですか?
-
相続税がかかる財産は、原則として、相続や遺贈によって取得した財産です。
例えば、現金、預貯金、土地、建物、株式、投資信託、宝石、家具、自動車、書画・骨董品、事業用資産、電話加入権、著作権などです。他に次の財産にも相続税がかかります。
①相続や遺贈によって取得したものとみなされる財産(みなし相続財産)
例えば、死亡退職金や功労金、死亡保険金などです。
②相続開始前7年以内に被相続人から暦年課税に係る贈与によって取得した財産
③生前に被相続人から相続時精算課税に係る贈与によって取得した財産 - 内縁関係にありますが、将来相続が発生した場合に相続人になれますか?
-
相続人にはなれません。相続人になれる人のことを「法定相続人」といい、配偶者(夫・妻) と血族に限定されています。
法定相続人になれる配偶者は、正式な婚姻の届出を行った夫または妻のことです。
戸籍上は籍に入っていない内縁関係の場合は相続権がありません。 - 養子は財産がもらえるのに、連れ子はもらえないというのは本当ですか?
-
本当です。養子は養子縁組を行った日から実子と同じ扱いになります。養子の場合は養親(ようしん)と実親(じつおや)の両方の相続人になれます。
一方、連れ子の場合、再婚した親は婚姻届により配偶者としての相続権が認められますが、連れ子は養子縁組をしない限りは相続権が発生しません。 - 婚外子(こんがいし)、非嫡出子(ひちゃくしゅつし)には相続権がないのですか?
-
婚姻届を行った両親から生まれた子を「嫡出子(ちゃくしゅつし)」といい、婚姻関係のない男女から生まれた子を「非嫡出子(ひちゃくしゅつし)」いわゆる「婚外子」といいます。
この場合は「認知」によって父との間に親子関係を生じさせることで、相続権を得ることができます。母との親子関係は、原則として分娩の事実によって当然発生するとされているので、認知は父親がするものと解されています。
認知された非嫡出子の相続分は平成25年9月5日以降の相続については、嫡出子と同等のものとなります。 - 相続人のいない財産はどうなるの?
-
相続人や特別縁故者が存在しない場合、相続財産は国庫に帰属します。通常の流れは、利害関係者または検察官の請求により家庭裁判所が「相続財産管理人」を選任し、相続財産の管理と不明の相続人の捜索を行わせます。
そこで相続人がいないことが確定し、「特別縁故者」の申し立てが家庭裁判所にあれば、相続財産の全部または一部が与えられます。
特別縁故者とは、内縁の夫・妻、被相続人の療養看護に努めた人、戸籍上は養子縁組の届出がなされなかった親子同等の関係者など、被相続人の存命中に精神的あるいは経済的な支援を行っていたなどの密接な関係を認められた人をいいます。
なお、共有者の一人が死亡して相続人がいないときは、相続人及び特別縁故者がいないことが確定したときに限り、その人の持分は他の共有者のものになります。
相続発生後のご相談から相続税の申告まで一貫して承ります
相続に関して「何から始めればよいかわからない」「どの専門家に何を頼めばよいのか不安」といったお悩みがありましたら、まずは イナリ税理士事務所 までご相談ください。
当事務所では、相続税申告を中心に、お客様の状況に応じて司法書士・弁護士とも連携しながらサポートいたします。
※原則として、当事務所へのご依頼(相続税申告)を前提としたご相談窓口とさせていただいております。


清水 克彦(イナリ税理士事務所)
西東京市のひばりヶ丘駅北口徒歩2分の所に事務所があり、相続・不動産税務、中小企業の税務会計や資金繰り支援を主な業務として活動を行っております。
保有資格:税理士、CFP、宅地建物取引士
所属団体:東京税理士会東村山支部、日本FP協会、東村山青色申告会
西東京の主な相談窓口一覧
市区町村関連
- 西東京市役所 保谷庁舎(戸籍・住民票関連)
- 死亡届の提出
- 戸籍謄本・除籍謄本・住民票の取得
- 国民健康保険、介護保険、福祉関係の資格喪失手続き
法務関連
- 東京法務局 府中支局(不動産登記)
- 相続による不動産の名義変更(相続登記)の申請窓口
- 東京家庭裁判所 立川支部(相続放棄・遺言書検認)
- 相続放棄・限定承認の申述
- 遺言書の検認手続き
税務関連
- 東京国税局・武蔵野税務署(相続税関連)
- 準確定申告(被相続人の所得税)
- 相続税の申告・納付に関する相談
その他関連機関(必要に応じて)
- 日本年金機構(武蔵野年金事務所)
- 年金受給停止・遺族年金の請求
- 自動車検査登録事務所(多摩)
- 自動車の相続による名義変更
- 金融機関
- 預貯金や証券口座の解約・名義変更